「防災の日に思った事」 97/9/3
9月1日。防災の日と言う事で、地震に関する防災のビデオを見た。
政府が発行している防災ビデオだ。何本か見たビデオは、それぞれ消防庁や総理府それに科学技術庁など別々の役所が作ったものだった。しかし、複数のビデオを見たにもかかわらず、それが阪神大震災以前のものの所為かもしれないが、みんな東京で地震がおきた場合のみを想定したものでしかなかった。
その災害規模を想定する為の資料となる災害や現象の例は、宮城県沖地震や日本海中部地震といった東京以外の地方で起こった地震にもかかわらずである。
資料とされた地震の数々は、すべて地震は東京以外でも起こると言う事を如実に物語っている。この事を忘れてはいけない。
しかし、これらのビデオをはじめとする多くの情報は、あたかも大震災は東京でしか起きないかのような先入観を植え付ける。少なくとも東京以外で起きた地震は、あってもけが人が数人出る程度で大した事無いかのようなあつかいだ。
阪神大震災において命を落とした人の中には結果としてこういった先入観によって死んでしまった人も多いと思う。政府の対応の遅さの根底にもこういった事が有ったのではないか?
神戸と同じような地方の大都市はたくさんある。京都や仙台、広島や福岡など.もっと大きいものなら大阪や名古屋、札幌といった都市もある。
またもっと規模の小さいものでも海岸の埋立地にある都市として新潟県の新潟市や兵庫県の姫路市、愛媛県の新居浜市などが有り内陸部の断層の上に有る都市として長野県の長野市や北海道の旭川市などがある。こういった都市の形状の種類別の防災さらにはもっと人口の少ない地域における防災のあり方なども、もっと政府は研究すべきである。そしてそういった地域の対策も考えるべきである。
確かに東京で地震が起これば被害にあう人数も桁違いだろうし、政府の機能も停止してしまうかもしれない。また、テレビをはじめとしたマスメディアも大きく混乱するだろう。しかし、だからといって他の地方はどうでもいい訳ではない。政府の有る東京の研究をしたほうが予算をとり易いのかもしれないが、もっと、防災と言う以上、他の地域にも目を向けて欲しい。
もう一度言う。大震災はは東京以外でも起こる。