ひるねの時間

「仕事」00/03/21      卜部 知典

社会人として仕事をこなすうえで、何が一番大切なことか?
もちろん失敗をしないで成果を出しつづけることが出来れば、それにこしたことはない。
だが、失敗を恐れて、なにも変化をさせないのであれば、進歩もなく、より良い成果にはつながらない。
仕事をする上で、本人の存在価値を表して行く為には、多少のリスクは承知で新しいことにどんどん挑戦して行く必要がある。
それは個人のみならず、企業にとっても同じ事が言える。
可能性の有ることには、惜しみなく時間と労力を注ぎ込む、そういった中から、今まで考えも及ばなかったような素晴らしいものが生まれ、または新しい技術の礎となるものが生まれてくる。
しかし、成果を出しつづける為には、成功だけに気を取られていてはいけない。
成果の影でそこにたどり着くまでに副産物的に生まれてきた多くの失敗を、どう処理するかも重要なことがらだ。
さもなくば、成功に対する評価が帳消しなるばかりでなく、社会人として失格の烙印をも押されかねない。
失敗をどうフォローするか、それが企業人に問われる資質として、フロンティアスピリッツとともにもっとも大事なことの一つだと思う。

他人に迷惑をかけてしまったのならば、謙虚に謝り、やり直しがきかないのならば、代案を示し、今後の信頼を回復する為には、再発防止策をうつことが必要だ。
そしてこれらをより効果的に行なう為には、速やかに、そしてあくまでも前向きに行なうことが重要だ。

失敗に対してその対応を「仕事で示す。」と、発言したのはそういう意味ではなかったのだろうか?
新潟県警の少女融解監禁事件に伴う一連の不祥事に関して、引責辞任した県警本部長の後任者は記者会見でそう言ったはずだった。

今回の交通違反のもみ消し事件と、それに関する収賄疑惑は、まさに県警本部にとってはチャンスだったのでは有るまいか?
県警本部には何の責任も無いこの事件に対して、もっと積極的に取り組み、全てを明白にして、罰すべきを罰すれば、警察の改革に対する熱意を示すことが出来、いずれは信頼回復にもつながった筈である。
しかし、県警幹部のあのやる気のない記者会見と、一般市民の意見の代弁者であるマスコミに対する侮辱した態度は、ただ不信を深めるだけのものだった。

私の知る限り、現場の警察官には、まじめで正義感の強い人達が多い気がするのだが、幹部がああでは、いずれ現場の人達も信頼を失い、やる気をなくすことであろう。
そういったことに気がつかないのだろうか?

警察にとって゛仕事”とは何なのだろうか?

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