河 口 湖 富 士 見 の 旅

 「富士山を見に来ませんか」と甲府の知人に誘われて、夏の初めの頃、河口湖周辺から富士山を見る旅に出かけました。名付けて、「富士見の旅」です。
 願いが叶ったり、残念ながら叶わなかったりの旅になりましたが、「富士見の旅」の一端を紹介したいと思います。
旅行日; ’01.7.28〜29

                

見 る
【河口湖畔】
 河口湖畔のホテル。部屋の窓からは、河口湖が一望に見渡され、その湖越しに富士山が見えるとのこと。残念ながら曇り空で見ることが叶わなかった翌朝、東の空がうっすらと白む頃、目覚めるとそこに、霊峰富士が朝霧を突き抜けるように浮かび上がっていました。
 まどろみの中の富士は、時間の経過とともに次第に赤く染まり、清々しいまでに秀麗な眺めに息を呑みました。
 露天風呂からの富士と湖の眺望は、正に絶景! なお、残念ながら果たせませんでしたが、「河口湖天上山ロープウェイ」から眼下に見る逆さ富士は、富士山のビューポイントの一つとのことです。

 
朝霧の中に浮かぶ富士        うっすらと赤く染まる富士

【忍野八海】(おしのはっかい)
 「忍野村から見る富士も、なかなかの風情ですよ」と勧められて、河口湖畔から車で約30分。かつては山中湖に続く大きな湖だったが、富士山の噴火による溶岩流で分断され、水が枯れて残ったのがこの忍野八海とか。
 中にある神社の屋根越しに見る富士や、近くの庭園から望む富士は、確かに遙かな歴史を忍ばせる趣がありました。
 ここから約4km、鹿留林道を登った所に、忍野富士の一等地として名高い富士山のビューポイントの一つ、二十曲峠があるとのことでしたが、残念ながら雲が広がってきて見送らざるを得ませんでした。

 
忍野八海からの雲間の富士           庭園越しに浮かぶ富士

【白糸の滝】
 「この天気では富士は望めないかもしれませんが、一見の価値がある滝がありますよ」ということで、折り返して富士宮方面へ。県道富士宮鳴沢線を約1時間、樹海を走り抜けると白糸の滝がありました。
 木々の根元から漏れ出すように、幅200mに渡って富士山の伏流水が流れ落ちています。落差20mの細い流れが幾重にも連なっている様は、正に白い絹糸のカーテンのようで、繊細で優美な眺めでした。その途中から少し上った所にある、もう一方の音止の滝は、対照的に豪快に太く流れ落ちていました。
 残念ながら富士山は望めませんでしたが、見えれば絵はがきのように、ぽっかりと滝の上に浮かんでいたはずです。
 帰りは、朝霧高原を通り、本栖湖を眺めながらのドライブでしたが、残念ながら富士山は隠れっぱなしでした。

  
 
優美な流れの白糸の滝    豪快な流れの音止の滝     紅葉の白糸の滝と富士

泊まる
【河口湖温泉】
 「ホテルニュー富士」という、小規模の旅館に泊まりましたが、すべての部屋から富士山と湖を見ることができ、また、天然温泉の展望浴場と露天風呂を備えていました。
 湖畔には大小様々なホテルや旅館があり、民宿もあります。

道路及び案内メモ
北陸自動車道から上信越自動車道、長野自動車道へと進み、岡谷JCから中央自動車道へ入り、甲府昭和ICで下りました。知人と待ち合わせるためで、河口湖へ直接向かう場合でしたら、一宮御坂ICから国道137号を約23km、山間の御坂みちを行く方がよいでしょう。御坂峠は、新道が便利ですが、眺望を楽しむのでしたら、旧道がお薦めです。九十九折りの峠道を抜けると天下茶屋へ。河口湖と富士山を一望できるビュースポットです。
忍野八海へは、河口湖から国道137号、139号、138号を山中湖方面へ約8km、忍野入口交差点を左折して約2kmです。
白糸の滝へは、国道139号を富士宮方面へ約38km、朝霧高原を走る道が分かりやすいですが、道の駅「なるさわ」の先から左折して、県道71号富士宮鳴沢線を走る道が、時間も距離も稼げるショートカットコースになります。広々とした牧場が続き、のどかな風景が望めます。また、大きな富士山が裾野まで見渡せるとのことです。

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